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西欧の美術工芸史において、日本の芸術および工芸品はその繊細で洗練された美が評価され、バロックの時代から王侯貴族の垂涎の的となり、特に19世紀後半以降は建築・芸術・工芸の各分野に多大な影響を及ぼした「ジャポニズム(Japonism)ムーブメント」を巻き起こした。 そのジャポニズムムーブメントを『デザイン日本学』の冒頭で取り上げる意義は、今一度プロフェッショナルとして、日本の美が歩んだ輝かしい歴史を深く理解することにより、未来のデザインを構築する基礎としていただきたいからである。 本授業では、戦国末期から現代に至るまでの、日本の磁器・蒔絵・漆器を中心とした輸出工芸の展開とその国際的影響について概観し、とりわけ、南蛮貿易・万国博覧会・ジャポニズム・アールヌーヴォー・モダニズム・ZENスタイルに至る流れの分析から、日本の伝統美が西洋の美術思想に与えた多大な影響を、俯瞰的視座からひも解いていく。 テキスト39ページ+動画視聴2時間 関連資料つき 目次 第1章 西欧における日本芸術・工芸品の評価とその歴史的背景 第2章 日本のアジア貿易史にみる文化交流と技術伝播 第3章 大航海時代と日本の対ヨーロッパ貿易 第4章 南蛮貿易と日本工芸の輸出品 第5章 万国博覧会と新たな輸出需要 第6章 英国における日本美術の影響 第7章 V&Aとジャポニズム 第8章 フランスにおける日本美術の影響 第9章 オーストリアへの伝播 第10章 モダニズムへの伝播 第11章 バブルからミレニアムに 第12章 まとめと次章への展望
講師
受講料
¥5,500
